[P2-B-0400] 心血管疾患を合併した血液透析患者に対する運動療法を経験しての一考察
ドロップアウトを繰り返す症例ゆえにみえてきたもの
キーワード:血液透析, 運動療法, 透析効率
【目的】
我が国の慢性透析患者数は依然肩上がりの増加を示しており,慢性腎臓病・透析は心血管疾患の危険因子として重要である。今回,糖尿病腎症による透析導入後,うっ血性心不全・狭心症の診断で心臓リハビリテーション(以下,心リハ)を行なった症例を経験した。本研究の目的は運動療法が血液透析に及ぼす影響を明らかにすることである。
【症例提示】
45歳男性,喫煙,高血圧症,高度肥満。42歳頃糖尿病を指摘,治療はドロップアウト,3年後当院初診時糖尿病三大合併症に加え大血管病変(狭心症3枝病変)を合併。
【経過と考察】
うっ血性心不全で入院・加療後,糖尿病性腎症にて血液透析導入となる。入院中心リハを開始,退院後も外来にて継続となるがすぐにドロップアウト。半年後教育入院で心リハ再開するも休みが多く,外来移行後もまたドロップアウト。この間も透析チームによる包括的な教育・指導は継続されていたが,体重増加および透析効率の悪化に歯止めがかからず,半年後透析センターから再度心リハへの参加依頼があった。時間調整など透析室との連携で,わずかに行動変容がみられるようになった。しかし,この頃より胸痛増悪,不安定狭心症疑いで検査目的に入院となり,以降またドロップアウトの気配が濃くなった。今回,糖尿病の教育入院で再び心リハ参加,透析日を含めた週5回の運動療法を実施した。これまでの経過で初めて継続した運動療法が施行でき,透析間の体重増加抑制,透析効率の改善を示している。腎臓リハビリテーション(以下,腎リハ)は新たな内部障害リハビリテーションとして近年注目されており,心リハと同様の包括的プログラムである。「透析患者の心血管疾患に対するK/DOQI臨床ガイドライン2005年版」でも,その中核である運動療法は積極的に行うべき治療であると明記されている。血液透析患者に対する運動療法が透析効率の改善に影響することが示唆された。
我が国の慢性透析患者数は依然肩上がりの増加を示しており,慢性腎臓病・透析は心血管疾患の危険因子として重要である。今回,糖尿病腎症による透析導入後,うっ血性心不全・狭心症の診断で心臓リハビリテーション(以下,心リハ)を行なった症例を経験した。本研究の目的は運動療法が血液透析に及ぼす影響を明らかにすることである。
【症例提示】
45歳男性,喫煙,高血圧症,高度肥満。42歳頃糖尿病を指摘,治療はドロップアウト,3年後当院初診時糖尿病三大合併症に加え大血管病変(狭心症3枝病変)を合併。
【経過と考察】
うっ血性心不全で入院・加療後,糖尿病性腎症にて血液透析導入となる。入院中心リハを開始,退院後も外来にて継続となるがすぐにドロップアウト。半年後教育入院で心リハ再開するも休みが多く,外来移行後もまたドロップアウト。この間も透析チームによる包括的な教育・指導は継続されていたが,体重増加および透析効率の悪化に歯止めがかからず,半年後透析センターから再度心リハへの参加依頼があった。時間調整など透析室との連携で,わずかに行動変容がみられるようになった。しかし,この頃より胸痛増悪,不安定狭心症疑いで検査目的に入院となり,以降またドロップアウトの気配が濃くなった。今回,糖尿病の教育入院で再び心リハ参加,透析日を含めた週5回の運動療法を実施した。これまでの経過で初めて継続した運動療法が施行でき,透析間の体重増加抑制,透析効率の改善を示している。腎臓リハビリテーション(以下,腎リハ)は新たな内部障害リハビリテーションとして近年注目されており,心リハと同様の包括的プログラムである。「透析患者の心血管疾患に対するK/DOQI臨床ガイドライン2005年版」でも,その中核である運動療法は積極的に行うべき治療であると明記されている。血液透析患者に対する運動療法が透析効率の改善に影響することが示唆された。