[P2-B-0426] 脊髄性筋萎縮症(I型)に対する呼吸理学療法の効果
~NPPV・カフアシストを導入して在宅復帰した一例~
キーワード:呼吸理学療法, 脊髄性筋萎縮症(I型), カフアシスト
【目的】
脊髄性筋萎縮症(以下SMA)の罹患率は10万人あたり1―2人である。I型は運動発達の停止,呼吸不全,嚥下障害を呈し多くは人工呼吸器管理となる。今回,肺炎で入院しカフアシスト・非侵襲的陽圧換気療法(以下NPPV)を導入した一例の呼吸理学療法の効果を後方視的に検証し報告する。
【症例提示】
症例は1歳9か月の女児。入院時の身体所見は身長77.4cm,体重7730g,酸素飽和度(以下SpO2)低下,心拍数上昇,シーソー呼吸・陥没呼吸が認められた。寝返りは不可。未定頚。筋力は中枢部T,末梢部Fレベル。深部腱反射は減弱。血液検査で炎症反応上昇,血液ガスで呼吸性アシドーシス,胸部レントゲンで両側肺門部・左下葉に浸潤影を認めた。
【経過と考察】
入院3日目より理学療法を開始しインスピロンマスク装着5L/min酸素吸入下で体位ドレナージ・排痰訓練を実施した。入院16日目より咳嗽力弱く自己喀痰困難なためカフアシストを導入し,入院23日目より分泌物貯留によるSpO2低下と夜間時の低換気改善目的でNPPVを導入した。経過と共に目標値まで加圧可能となりSpO2が改善し夜間のSpO2低下回数が10回から3回に減少した。入院35日目より介助下で座位練習を行い5分から10分程度まで頭位の保持時間が延長した。退院時の胸部レントゲンで浸潤影・無気肺の改善,血液ガス検査で酸素化の改善を認め,会話や離乳食の摂取も可能となった。入院当初は気管切開も検討されたが退院時は1日2回のカフアシストと夜間のみのNPPV導入で入院44日目に自宅退院となった。退院前に母親にポジショニングとカフアシスト・NPPVの指導を行い,バギーと座位保持装置を作製し訪問リハビリも導入した。
SMAは根本的な治療は確立されておらずI型は呼吸器感染,無気肺を繰り返し予後が大きく左右される。カフアシストとNPPVを使用した呼吸理学療法はSMAに対して有用であると考えられる。
脊髄性筋萎縮症(以下SMA)の罹患率は10万人あたり1―2人である。I型は運動発達の停止,呼吸不全,嚥下障害を呈し多くは人工呼吸器管理となる。今回,肺炎で入院しカフアシスト・非侵襲的陽圧換気療法(以下NPPV)を導入した一例の呼吸理学療法の効果を後方視的に検証し報告する。
【症例提示】
症例は1歳9か月の女児。入院時の身体所見は身長77.4cm,体重7730g,酸素飽和度(以下SpO2)低下,心拍数上昇,シーソー呼吸・陥没呼吸が認められた。寝返りは不可。未定頚。筋力は中枢部T,末梢部Fレベル。深部腱反射は減弱。血液検査で炎症反応上昇,血液ガスで呼吸性アシドーシス,胸部レントゲンで両側肺門部・左下葉に浸潤影を認めた。
【経過と考察】
入院3日目より理学療法を開始しインスピロンマスク装着5L/min酸素吸入下で体位ドレナージ・排痰訓練を実施した。入院16日目より咳嗽力弱く自己喀痰困難なためカフアシストを導入し,入院23日目より分泌物貯留によるSpO2低下と夜間時の低換気改善目的でNPPVを導入した。経過と共に目標値まで加圧可能となりSpO2が改善し夜間のSpO2低下回数が10回から3回に減少した。入院35日目より介助下で座位練習を行い5分から10分程度まで頭位の保持時間が延長した。退院時の胸部レントゲンで浸潤影・無気肺の改善,血液ガス検査で酸素化の改善を認め,会話や離乳食の摂取も可能となった。入院当初は気管切開も検討されたが退院時は1日2回のカフアシストと夜間のみのNPPV導入で入院44日目に自宅退院となった。退院前に母親にポジショニングとカフアシスト・NPPVの指導を行い,バギーと座位保持装置を作製し訪問リハビリも導入した。
SMAは根本的な治療は確立されておらずI型は呼吸器感染,無気肺を繰り返し予後が大きく左右される。カフアシストとNPPVを使用した呼吸理学療法はSMAに対して有用であると考えられる。