第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

調査研究 ポスター8

地域住民への取り組み

2015年6月7日(日) 10:50 〜 11:50 ポスター会場 (展示ホール)

[P3-B-0819] 小学生の体力と通学手段の関係性

山間部と平地部での比較

山口剛司, 岸田智行, 桝井健吾, 赤尾静香, 瓜谷大輔, 福本貴彦, 松本大輔 (畿央大学)

キーワード:小学生, 体力, 通学手段

【目的】
文部科学省によると小学生の体力低下は著しいと言われている。先行研究では山間部と都市部などの地域により体力が異なることと報告されている。しかし,小学生の通学手段と体力に着目した研究は少ない。そこで,本研究の目的は通学手段と山間部および平地部の小学生を対象に体力および運動習慣との関連性を検討することを目的とした。
【方法】
対象は奈良県山間部小学校4・5年生,28名(4年生;男子9名,女子7名5年生;男子5名,女子7名)と奈良県平地部小学校4・5年生,29名(4年生;男子6名,女子6名5年生;7名,10名)である。山間部小学校ではバスを,平地部小学校では徒歩で通学している。対象に新体力テスト(内容;握力,立ち幅跳び,20mシャトルラン,ボール投げ)と運動に関するアンケート(内容;運動好意度,運動頻度,運動時間,スポーツクラブへの所属の有無など)を評価で実施し,地域間で初期評価の新体力テスト結果・運動に関するアンケート結果を比較した。解析方法は体力テストでは対応のないt検定を使用し,アンケートにはカイ二乗検定を使用した。
【結果と考察】
両小学校において人数規模,男女比身長,体重には有意差はなかった。体力テスト結果では山間部と平地部で山間部の方がすべての項目において有意に低く,また全国平均値よりも低い結果であった(p<0.05)。また,運動習慣において,運動好意度,運動時間・頻度,クラブの所属において有意差は認められなかった。今回の結果から通学手段と体力が関係していること可能性が示唆された。体力向上のために通学分の運動量を学校内で確保する取り組みが必要であると考えられる。