第50回日本理学療法学術大会

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メインシンポジウム

メインシンポジウム1

理学療法50年のあゆみと展望―新たなる可能性への挑戦―わが国の理学療法の歴史と継承

Sat. Jun 6, 2015 10:15 AM - 12:05 PM 第1会場 (ホールA)

座長:伊東元(茨城県立医療大学名誉教授), 高橋正明(群馬パース大学 保健科学部理学療法学科)

[SS-02-1] 九州からの発信

橋元隆 (九州栄養福祉大学リハビリテーション学部)

1969年に発行された「理学療法と作業療法ジャーナルVol.3 No.5.医学書院」に,当時WHO日本政府顧問で国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院理学療法学部長のバーバラ・ナッシュ先生が第4回日本理学療法士学会(昭和44年,神戸市)での特別講演の内容が掲載されています。その時のテーマが「どこへ行く日本のリハビリテーション」です。先生はわが国における「リハビリテーション」という言葉の使われ方について,リハビリテーションとは言っても,事実は理学療法のみを指していたり,理学療法士と作業療法士しか養成していないのにリハビリテーション学院と名乗ったり,その曖昧で便宜的な使われ方を懸念されています。また理学療法士という専門職と,従来から技術員との違いに触れ,理学療法士が専門職として認められるよう自らの学問と技術の向上を図り,チームのメンバーとなるための努力を重ねなければならないことを強調しています。それもまずは国内で認められなければなんにもならない。日本で認められるようにどのような犠牲も惜しんではならない。そうでないといつまでもチームのメンバーにはなれない,一介の技術員に終わってしまう。専門職として認めてもらうこの戦いに勝ち抜かなければあなた方自身だけでなく患者さん,日本の損失となってしまう。あなた方は,日本のリハビリテーションの将来のため,どのような決意をおもちでしょうか,と結んでいます。理学療法士免許有資格者は10万人をはるかに超え,学術領域の進歩には目を見張るものがあります。果たして彼女の言った課題に対して,私たちは応えることができたのでしょうか。九州から50年を回顧し,九州の文化と理学療法・地域性・身分法をkey wordに,次のことについて言及したいと思います。
1.なぜ九州にリハビリテーションの陽が昇ったのか
2.マッサージから運動療法へ
3.洋式と和式のリハビリテーション
4.量と質
5.これからの展望