第50回日本理学療法学術大会

講演情報

大会シンポジウム

大会シンポジウム5

卒後教育・管理の現状と展望

2015年6月6日(土) 10:15 〜 12:05 第6会場 (ホールD7)

座長:森本榮(輝生会)

[TS-09-4] 卒後教育・管理の現状

士会の立場から

市川彰1,2 (1.佐久総合病院, 2.長野県理学療法士会)

【長野県理学療法士会について】一般社団法人,会員数1770名(平成26年12月現在),ブロックを東・北・中・南の4地区で構成。各ブロックは山々で遮られ,移動は車を利用し峠を越えるルートの方が早い場合が多い。会員数はここ10年間で2倍と他士会同様大きく伸び,会員増によるところの課題が堆積してきている。職能団体として特記することは,ここ10年の会費納入率は100%をキープ,また新人教育プログラム履修も常に上位にある点である。
【取り組みの具体的内容】平成6年度から協会の新人教育プログラムが開始された。会の立場からは,当時制度化された生涯学習手帳(以下,手帳)の管理からとりかかった。特例措置会員を除き,新入会員を中心に手帳を預かり,履修が終了するまでの単位把握を会が管理するというものである。履修状況は年2回対象会員へ書面をもって伝え,手帳への記載は各研修会参加者名簿からの情報をもとに,読み替えを含め生涯学習部で対応した。また履修内容改定により「学会等の発表」が必須となった際には,今後ポイントの取得が困難となる会員が増加することを懸念し,「3年次会員発表会」を通常の学術大会と別の日程で企画,先輩会員が優しくアドバイスする場と位置づけ履修援助の一環とした。平成21年度に教育部を立ち上げ,臨床現場における卒前教育(=卒後教育としての臨床実習指導者育成)のあり方を柱に検討会や研修会を立案してきた。現在,会員の意識をさらに高めるための企画を模索中である。
【見解】1年間に大小70本程ある事業に共通することは,会員の参加率が高く推移してきたことにある。近年365日体制の施設が増加している中で事業参加率は低下傾向にあるが,「参加は義務」の意識をもつ先輩会員も多く,後進の育成に協力的な環境にある職場が多いこともあげられる。また,当たり前のことが欠けることに対し恥ずかしさを感じる「県民性」も大切な要素かもしれない。