15:20 〜 15:40
[2B3-OS-19b-01] うごけよつねに
モノをとおしてコミュニケーションを理解する
キーワード:身体知、コミュニケーション、デザイン
筆者は,ワツラヴィックらによるコミュニケーションに関する「試案的公理」を参照しながら,さまざまな実践の文脈における「場づくり」やファシリテーションのあり方に関心を寄せてきた.とくに「コミュニケーションしないことの不可能性」という言明は,きわめて示唆に富んでいる.私たちは,しゃべることをコミュニケーションだと考えがちだが,黙っていることも,さらに他の非言語的,身体的ふるまいもふくめて,絶え間なくお互いの状況を伝え合っている.つまり,私たちはコミュニケーションせざるをえないのである.さらに,私たちが日常生活においてさまざまなモノや道具を必要としていることから,モノの成り立ちやモノ自体をとおして,人びとのコミュニケーションの痕跡やありようについて洞察を加えることもできるだろう.
本論文では,「うごけよつねに」というプロジェクトを事例として紹介しながら,モノ(移動体)をとおしたコミュニケーション過程を理解する試みについて論じたい.モノは,私たちのコミュニケーションの契機(始まり・終わり)となるばかりでなく,時間,空間の構成・再構成に関する身体的な理解の創造に役立つ.
本論文では,「うごけよつねに」というプロジェクトを事例として紹介しながら,モノ(移動体)をとおしたコミュニケーション過程を理解する試みについて論じたい.モノは,私たちのコミュニケーションの契機(始まり・終わり)となるばかりでなく,時間,空間の構成・再構成に関する身体的な理解の創造に役立つ.