15:40 〜 16:00
[2B3-OS-19b-02] 跡の物語
キーワード:跡、身体知、物語
「跡」や「痕」について、思いを馳せたことがあるだろうか。わたしたちはこの言葉を、ときに何気なく、いつのまにか口にする。 紙につけた折り目、窓ガラスについた指紋、さら地、古本にある走り書き。すべては「跡」のようで、過去を思わせる。また、私たちは、さまざまな方法で残された「跡」を、利用したり、消したり、作り出したり、解釈したりする。 「跡」を見つめると、そこには“だれかが居た”、“なにかが動いた”物語が見えてくる。そのとき、私たちは、「跡」のどんな要素に気づき、その要素をどう解釈してその物語にたどり着いたのだろうか。私たちは、何を「跡」と感じているのだろうか。どのように「跡」が残され、私たちは「跡」にどんなふうに出会うのだろうか。 本研究は、このような、日常における「跡」との出会いと「跡」の持っている物語性に惹かれて始まった。 「跡」との出会いの研究を行う上で、第一著者と第二著者の2名が様々な「跡」に着眼して具体的な「跡」の体験を集め、自分自身の世界の捉え方についての問いや気づきを生むことを目指した。