2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

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口頭発表

オーガナイズドセッション » [オーガナイズドセッション] OS-19 臨床の知

[4B1-OS-19c] 臨床の知(3)

2018年6月8日(金) 12:00 〜 13:20 B会場 (4F ムーンライト)

12:20 〜 12:40

[4B1-OS-19c-02] 踊りにおける間合い –想いえがく、耳を澄ます、つくりだす−

〇安田 理紗1、諏訪 正樹1 (1. 慶應義塾大学)

キーワード:身体知、間合い

「間合い」は自分の身体と周囲の環境との間で,誰もが日常生活の中で出会っている現象である.しかし,曖昧かつ暗黙的であるがゆえにほとんど研究されていないものである.
間合いは,踊りにも深く関係している.本研究は,第一筆者のコンテンポラリーダンスの実践を通して,間合いに関する側面を発見することを目的としたものである.その探究の中で顕在化した仮説を本論文で示す.
6ヶ月間同じ踊りを練習し,現在筆者が感じることのできる間合いは31パターン存在し,7種類の関係性の間に生まれている.
それらは,「想いえがく」,「耳を澄ます」,「つくりだす」ことによって生み出されたと考えている.
また,認知構造にマップした結果以下のことが分かった.
・「耳を澄ます」ことは間合いを生み出す上での基盤である.
・「つくりだすこと」は身体が環境とインタラクションをする際の感覚と深い関係がある.
・「想いえがく」ことは上記2つが成立した暁に生じる高次なものごとである.
本研究はあくまでも第一筆者の身体,経験,主観に基づくものであるが,ダンスにおける間合いの重要な側面を示唆する新しいものになったと考えている.