2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » [OS] OS-13 “ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導くエージェントの構築へ向けて

[1G3-OS-13a] “ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導くエージェントの構築へ向けて(1)

2019年6月4日(火) 15:20 〜 17:00 G会場 (302A 中会議室)

小野 哲雄(北海道大学)、今井 倫太(慶應義塾大学)、植田 一博(東京大学)、山田 誠二(国立情報学研究所

15:20 〜 15:40

[1G3-OS-13a-01] “ナッジ ”エージェント

人をウェルビーイングへと導くエージェントの提案

〇小野 哲雄1 (1. 北海道大学)

キーワード:”ナッジ ”エージェント、ヒューマンエージェントインタラクション

行動経済学において提唱されている“ナッジ” (nudge) は「ほとんど気づかないくらいにささやかな方法」で人々を健康や幸福へと導く戦略 [Thaler 08] として知られ,Thaler は当該研究の業績により2017年にノーベル経済学賞を受賞した.

AIやIoTなどの情報技術の急速な発展により,社会システムのリデザイン (再構築) が求められている現在,本研究では“ナッジ”を「心のナビゲーション」として捉え,それを我々がこれまで約20年間にわたり研究を進めてきた Human-Agent Interaction (HAI) の基盤技術を用いることで“ナッジ”エージェントとして実装することにより,人々を「良い行動」へと導くことが可能な,新しい社会的インタラクションの枠組みを提案する.

具体的には,HAI基盤技術を用いることにより,人の意思決定を方向づける認知的環境 (選択アーキテクチャ) を操作可能な“ナッジ”エージェントを構築し,実際の家庭や商業施設などでのフィールド実験をとおして,このエージェントが人々の意思決定を健康や幸福へと“それとなく”導くことが可能かどうかを検証する.