2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[1H3-J-13] AI応用: 医療とヘルスケア

2019年6月4日(火) 15:20 〜 17:00 H会場 (303+304 小会議室)

座長:近藤 堅司(パナソニック株式会社) 評者:佐藤 佳州(パナソニック株式会社)

16:20 〜 16:40

[1H3-J-13-04] 睡眠日誌アプリを利用した将来の元気度の予測

〇秋冨 穣1、梶山 征央1、岡島 義2、山口 美峰子1 (1. NECソリューションイノベータ株式会社、2. 東京家政大学)

キーワード:睡眠、行動変容、動機付け

睡眠の問題は社会問題の一つである.睡眠の改善手法の一つとして知られる不眠のための認知行動療法の技法の一つである睡眠日誌の記録を中心とした「睡眠日誌」アプリを試作開発した.これまでにアプリの継続利用者は実際に睡眠習慣が改善されることが示唆される結果を得ている.一方,このようなユーザの行動変容を促す取り組みにおいては,取り組みへの継続率をいかに高くするかが重要な課題として挙げられる.そこで我々は,アプリに蓄積されたデータを元に,ユーザの将来の元気度を予測することを試みた.この機能によれば,アプリの継続利用により睡眠のデータが蓄積されることで,ユーザにとって将来の元気度が分かるというメリットが発生するため,継続を促すための動機付けの手段と成り得ると期待される.ランダムフォレストを用いて,ユーザの一週間分の睡眠データからそのユーザの翌日の元気度の予測をしたところ,およそ80%以上の高い精度で元気度の予測が可能であり,その予測に特に重要な特徴量は直近のデータよりもむしろ7日分の睡眠データの平均や標準偏差であることが示唆された.本研究の成果を基に,有効な動機付けの方法の検討を進めていきたい.