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[1L2-J-11-04] 少数データからの観察的因果帰納
キーワード:因果帰納
不確実な環境における過去の診断, 現在の判断, そして未来の予測において, 因果関係の帰納推論は生物の適応の根本をなし,人間の認知機能の根幹である.人工知能分野においては,人間のような少量データからの素早い学習や判断が,効率的な因果推論に支えられていることが議論されている.本研究における我々の目的は,少量のデータのみ与えられた時,人間がどのように因果関係を判断するかを解明することにある.Hattori らより提案された二段階理論を基礎とし,因果帰納が観察的な第一段階と介入的な第二段階に分かれているとする.その上で,これらの段階を認知的に区別するとされる在不在の対称性という要因をコントロールし,また両段階に対応するモデルである pARIs/DFH と ΔP の比較を行った.結果として,双条件文(pならばq,かつqならばp)の確率に相当し,Jaccard index とも等しい,著者らの pARIs モデルのフィットが優れていることが示された.