2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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オーガナイズドセッション » [OS] OS-5 複雑化社会における意思決定・合意形成のためのAI技術

[2F3-OS-5a] 複雑化社会における意思決定・合意形成のためのAI技術(1)

2019年6月5日(水) 13:20 〜 15:00 F会場 (302B 中会議室)

福島 俊一(科学技術振興機構)、福田 直樹(静岡大学)、伊藤 孝行(名古屋工業大学)

13:20 〜 13:40

[2F3-OS-5a-01] エージェント技術に基づく大規模合意形成支援システムの創成:自動ファシリテーションエージェントを用いた大規模社会実験

〇伊藤 孝行1、柴田 大地1、鈴木 祥太1、山口 直子1、西田 智裕1、平石 健太郎1、芳野 魁1 (1. 名古屋工業大学)

キーワード:大規模合意形成支援、自動ファシリテーション、議論マイニング

オンライン上のクラウド(Crowd)スケールの議論の支援が次世代の民主主義プラットフォームとして注目を集めている.大規模な合意を形成できれば,これまでには不可能だった,大規模な人数による意思決定が可能になる.そこで,筆者らは複数の実フィールドでオンラインの議論支援システムCollagreeを開発し,幾つかの社会実験を行い有用性を確認している.ここでは,炎上を防ぎながら議論を適切にリードするために人間のファシリテータがオンライン議論をファシリテートした.課題は,規模が非常に大きいことから,人手でファシリテーションを行うのが困難な点である.オンラインで24時間休むことなく議論を管理することは非常に難しい.そこで本研究では,自動ファシリテーションエージェントを実装することで,大規模な人数の人たちの意見を効率的に収集し,合意を形成するシステムを実現する.評価として,名古屋市と協力して,名古屋市次期総合計画の中間案に対する市民の意見集約の場の一つとして,本システムを導入した.その結果,自動ファシリテーションエージェントは予想以上にうまく動作し,参加者からの投稿数が増加する傾向が見られた.