2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2G5-J-13] AI応用: 信頼と価値と倫理

2019年6月5日(水) 17:20 〜 19:00 G会場 (302A 中会議室)

座長:江間 有沙(東京大学) 評者:長谷川 忍(北陸先端科学技術大学院大学)

17:20 〜 17:40

[2G5-J-13-01] 人工知能裁判官が持つ思いやりが与える信頼度への影響

〇神先 凌太朗1、中島 遼1、井上 綾1、田中 瞭1、小島 未央奈1 (1. 同志社大学)

キーワード:人工知能、裁判官、信頼、思いやり、心理学

概要: ①人工知能(AI)が発達した未来社会においては, AIが裁判官を務める場合が考えられる. そこで本稿では, 裁判官とAI裁判官である場合の二つの状況において信頼度に影響を与える指標を明らかにしたい. 今回用いた指標は従来から言われている誠実さ, 能力(中谷内, 2018)に加え, 思いやりであると考えた. 思いやりという指標は裁判の現場でも述べられており(最高裁判所資料, 2013), Mayer(1995)の信頼に影響する能力, 正直さに加え慈悲という項目をおいていることとも関連が深い.
②:結果としては,裁判官,AI裁判官, のどちらにおいても思いやり条件で信頼度を高めるという有意差が見られた. しかし思いやり条件下において, 誠実さ, 能力も同様に上昇した. そのため, 思いやりが誠実さ, 能力に影響し, その片方, あるいは両方を経由して信頼度に影響していないとは言い切れない結果となった.