2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2O3-J-13] AI応用: 投資

2019年6月5日(水) 13:20 〜 14:40 O会場 (1F 展示ホール左奥)

座長:水田 孝信(スパークス・アセット・マネジメント株式会社) 評者:長谷川 忍(北陸先端科学技術大学院大学)

14:00 〜 14:20

[2O3-J-13-03] どの資産がビットコイン投資家にとってヘッジあるいはSafe Havenになるのか?

〇酒本 隆太1,2、ホ エルデン1、市川 佳彦1 (1. ワイジェイFX株式会社、2. 慶應義塾大学 産業研究所)

キーワード:ビットコイン、ヘッジ、時系列モデル、避難資産、GARCH

本研究ではビットコインにとってのヘッジとSafe Haven資産を分析する。ビットコインはその高い変動性から近年大きな注目は集めている。ファイナンス研究としてはその代替資産としての性質に注目が集まっており、株や債券のリスクを分散するためにビットコインを利用するという前提でのアプローチが取られている。一方、本研究ではビットコイン投資家の立場を取り、どのようにビットコインのリスクをコントロールすればよいかという点に焦点を当てる。我々は厳密なヘッジ、Safe Havenの定義を用いて、さらに弱いヘッジとSafe Havenと強いヘッジとSafe Havenも区別する。本研究の分析では国際株式や国際債券といった伝統的な資産はビットコインにとって、弱いヘッジ資産となることがわかった。さらにビットコイン相場の下落時には金が強いヘッジ資産となることがわかったが、その数字的なインパクトは限定的なものとなった。我々の長期、あるいはビットコインの下落時に強いSafe Havenとなる資産は存在しなかった。これはビットコイン投資家にとっての下落相場でリスクマネジメントすることの難しさを示唆する。