2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

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オーガナイズドセッション » OS-23 臨床の知―厚い記述がもたらす知―

[3C5-OS-23b] 臨床の知―厚い記述がもたらす知― (2)

2020年6月11日(木) 15:40 〜 17:20 C会場 (jsai2020online-3)

諏訪 正樹(慶應義塾大学)、藤井 晴行(東京工業大学)、加藤 文俊(慶應義塾大学)

16:20 〜 16:40

[3C5-OS-23b-03] 「余白」に気付く感性を醸成する

〇笹川 陽子1、染谷 めい1、坂本 彩夏1、加藤 文俊1 (1. 慶應義塾大学)

キーワード:フィールドワーク、感性の醸成、研究方法

本研究は、「余白」に気づくための感性を開拓するフィールドワーク課題の設計と実践について考察を加えるものである。ここで「余白」は、固定的な〈属性〉ではなく、観察者の置かれた状況に応じて移ろう〈状態〉として理解する。例えば1台の自転車のカゴは、持ち主にとっては「荷物置き場」、行き場のないゴミを抱えた人にとっては「ゴミ箱」、花を植える人にとっては「プランター」として、多様な「余白」になりうる。こうした〈状態〉としての「余白」を認知する感性の醸成方法を模索するため、恵比寿駅から半径500メートル圏内を対象にフィールドワークを行う課題(学部生対象)に取り組んだ。フィールドワークの過程では、まちを歩く際の物理的な条件を変え、場合によっては環境に能動的に働きかけることを試みた。また、個人の体調や心理状態をふまえながら、フィールドワークで体感した、まちに偏在する「余白」をめぐるエピソードを記述した。本論文では、「臨床の知」という観点からフィールドワークの過程をふり返り、個人的な体験としての「余白」を他者に語ることの可能性について検討する。

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