2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

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オーガナイズドセッション » OS-9 “ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導く環境知能システムの構築へ向けて

[3J1-OS-9a] “ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導く環境知能システムの構築へ向けて (1)

2020年6月11日(木) 09:00 〜 10:40 J会場 (jsai2020online-10)

小野 哲雄(北海道大学)、植田 一博(東京大学)、山田 誠二(国立情報学研究所)、本田 秀仁(安田女子大学)、小川 浩平(名古屋大学)

10:00 〜 10:20

[3J1-OS-9a-03] 自分の好みは他人に有益な情報となるか?

刺激に関する分析

〇藤崎 樹1,3、本田 秀仁2、植田 一博1 (1. 東京大学、2. 安田女子大学、3. 独立行政法人日本学術振興会)

キーワード:レビューサイト、集合知、レイティング情報

「君が去年受けたあの講義,面白い?」など,私たちは日々,他人から好みに関する意見を求められる.この際,どうすれば相手にとって有益な意見を与えられるだろうか.最近,一人に複数人分の意見を生成させることで,有益な意見を生み出すという手法が提案されている.しかしこの研究では,刺激をまとめて分析していた.そこで本研究では,こうした刺激の性質が手法の有効性に与える影響を検討した.具体的には,行動実験で意見を集めた上で,このデータを基に計算機上で意見の授受をシミュレートし,手法の有効性を計測した.そしてこの際,刺激が与える影響を観察した.結果,好きか嫌いかを判断しにくい刺激において,手法の有効性がより高まることが明らかとなった.なお,本手法は推定課題(e.g., 全世界の識字率)においても有効であり(i.e., 正確性が高まる),広く参加者の意思決定の質を高めるものとして捉えられる.このように,人の認知能力に働きかけることでよい意思決定を狙う手法はブーストと呼ばれ,環境の整備によってよい意思決定を促すナッジと好対照をなしており,近年注目を集めている.発表では,この両者の関係についても議論したい.

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