09:40 〜 10:00
[3N1-OS-11a-02] AIと情報受託者論の射程
キーワード:アカウンタビリティ、信頼できる人工知能、信認関係、プライバシー
近時のAI開発に関する様々なガイドラインでは、信頼できるAIやそのための透明性やアカウンタビリティに言及されることが多い。そこではAIの挙動について利用者に納得してもらうための一定の配慮が求められる。これは法的にも議論されるべきである。他方で、ビッグデータの収集と解析を中心としたビジネスにおけるプライバシーの考え方として「情報受託者(information fiduciary)」という考え方が米国を中心に議論されている。これは情報主体と情報の利用者の関係を英米法の信託法における信認関係になぞらえ、情報の受託者に一定の義務を課すことでプライバシーを考えようというものである。
ここで検討したいのは今日における信認関係は幅の広い概念であり、知識や技術の非対称性をもとに結ばれる関係ともいわれることから、プライバシーに限らず信頼できるAIの提供と利用者の関係を情報受託者論として捉えられないかということである。
本報告においてはこの情報受託者論の射程が、AIサービスの提供にも及びうることを、米国における情報受託者論の主たる論者であるBalkinのテクストおよび判例から検討し、示す。
ここで検討したいのは今日における信認関係は幅の広い概念であり、知識や技術の非対称性をもとに結ばれる関係ともいわれることから、プライバシーに限らず信頼できるAIの提供と利用者の関係を情報受託者論として捉えられないかということである。
本報告においてはこの情報受託者論の射程が、AIサービスの提供にも及びうることを、米国における情報受託者論の主たる論者であるBalkinのテクストおよび判例から検討し、示す。
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