[3Rin4] インタラクティブ1

[3Rin4-29] 文脈に対して同調的応答を生成するニューラル会話モデルの検討

〇河野 誠也¹、水上 雅博²、吉野 幸一郎¹、中村 哲¹ (1.奈良先端科学技術大学院大学、2.NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

キーワード：対話システム、ニューラル会話モデル、エントレインメント現象、強化学習

エントレインメントは，同調傾向やシンクロニーとも呼ばれ，対話における話者間の話し方や声の調子などの振る舞いが同調，類似する現象を指す．この現象は，語彙，統語構造，文体，韻律，ターンテイキング，対話行為など，対話における様々な要素で観測されることが知られている．エントレインメントは，対話のタスク成功率や自然性，対話意欲と相関することが報告されており，エントレインメントの分析を通して対話システムの性能や対話の質を評価する試みが行われている．また，エントレインメントを対話中に考慮し，用例ベース対話システムにおける応答文選択に応用する取り組みが行われている．本研究では，別のアプローチとして近年盛んに研究されているニューラル会話モデルの枠組みにおいてエントレインメントを考慮した応答生成を行う手法についての検討を行う．具体的には，自動エントレインメント評価指標を報酬として用いた強化学習により，ユーザの発話に対して同調した応答の生成を行うニューラル会話モデルの最適化を行った．