2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

講演情報

インタラクティブセッション

[3Rin4] インタラクティブ1

2020年6月11日(木) 13:40 〜 15:20 R01会場 (jsai2020online-2-33)

[3Rin4-61] 自己符号化器と心拍変動解析を用いたてんかん発作予知アルゴリズムの大規模臨床データベースによる検証

〇合田 飛1、藤原 幸一2、宮島 美穂3、山川 俊貴4、加納 学1、前原 健寿3 (1.京都大学、2.名古屋大学、3.東京医科歯科大学、4.熊本大学)

キーワード:てんかん、心拍変動、ニューラルネットワーク、自己符号化器、異常検知

てんかん発作に伴う事故は重傷・死亡につながる危険性があるが,患者が事前にてんかん発作を予知することができれば,身の安全を確保することによって,発作による負傷や事故を防ぐことができる.これまでに我々は,てんかん発作起始前に心拍パターンに変化が見られることに注目し,心拍変動 (HRV) と呼ばれる心拍間隔 (RRI) の揺らぎを自己符号化器 (AE) によってモニタリングし,発作起始前の心拍パターン変化を検出することで,てんかん発作を予知するアルゴリズムを開発した.しかし,これまでの研究ではアルゴリズムの検証は少数の症例に限られていた.そこで,本研究では,計180名の焦点性てんかん患者から得られたHRVデータを用いて,てんかん発作予知アルゴリズムを検証した結果を報告する.発作予知アルゴリズムを適用した結果,感度は77.9%であり,ROC 曲線下面積 (AUC) は 0.91であった.ほとんどの患者で発作予知は有効であったが,一部の患者では偽陽性が多く発生していた.今後はカルテ情報などに基づき,発作予知が有効でなかった患者がどのような特徴を有しているか調査する.

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