2022年度 人工知能学会全国大会(第36回)

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オーガナイズドセッション » OS-15 移動系列のデータマイニングと機械学習

[3G4-OS-15b] 移動系列のデータマイニングと機械学習(2/2)

2022年6月16日(木) 14:50 〜 17:10 G会場 (Room G)

オーガナイザ:藤井 慶輔(名古屋大学)[現地]、竹内 孝(京都大学)、沖 拓弥(東京工業大学)、西田 遼(東北大学)、田部井 靖生(理化学研究所)、前川 卓也(大阪大学)

15:10 〜 15:30

[3G4-OS-15b-02] 野生コウモリの出巣時における移動パターン計測及びグレンジャー因果を用いた群行動メカニズムに関する基礎的検討

〇牛尾 和嵯1、藤岡 慧明1、藤井 慶輔2、波部 斉3、川嶋 宏彰4、飛龍 志津子1 (1. 同志社大学、2. 名古屋大学、3. 近畿大学、4. 兵庫県立大学)

キーワード:野生コウモリ、機械学習

コウモリは自身が発した超音波の反響を処理することで周囲環境を認識する反響定位を行う.また多くの種のコウモリが集団で生息し,ねぐらからいくつもの個体が連なって出巣する集団飛行も観察されるが,夜間での計測の難しさなどからコウモリの群行動メカニズムに関する研究はほとんど行われていない.そこで本研究は,高感度ビデオカメラを用いて出巣するユビナガコウモリの飛行軌跡を3次元的に計測し,出巣の行動パターンを調べた.またコウモリは,他個体との衝突を回避しながらも,効率的な集団での出巣を可能にしていると考えられる.そこで,グレンジャー因果関係を集団移動軌跡において計算可能な手法を適用することで(Fujii et al., NeurlPS’21),出巣時のコウモリの群行動を分析した.その結果,前方を飛行する個体は,他個体から「分離」または「接近」するように飛行していることが分かった.これはすなわち,音声を用いて環境把握するコウモリは,視覚的には捉えることのできない後方個体からの影響も受けていることを示唆しており,視覚動物を中心とする集団行動のモデル動物とは違う,コウモリ独自の群行動メカニズムの存在が考えられる.

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