[1Win4] ポスターセッション1

[1Win4-25] 言葉の進化生態モデル

〇鈴木 麗璽¹、有田 隆也¹ (1.名古屋大学)

キーワード：大規模言語モデル、エージェントベース進化モデル、人工生命

本論文は，大規模言語モデル（LLM）の創造性と複雑な単語間関係の推論能力を活用し，仮想的な進化・生態過程を実現する，単語の進化生態モデルを提案する．集団内の各エージェントは，LLMによって生成された短い言葉（もしくはフレーズ）を持ち，空間内をランダムに移動する．接触したエージェント同士は，LLMによって決められるそれらが持つ言葉間の対戦結果に基づき，敗者の言葉が勝者の言葉に置き換わる．この時LLMに基づく言葉の突然変異も生じうる．「強い動物種」が生き残るという設定で予備実験を行った結果，よく知られた種で構成される初期集団から，徐々にあるいは断続平衡的に多くの種が創発することが示された．各試行では，陸上動物，海洋生物，絶滅種など，多様な極限環境に特化し適応した大型種のいずれかが優占する独自の進化が見られた．また，大規模な集団での長期実験を実施し，多様な種の創発と共存が示された．