[1Win4-75] 特殊詐欺被害防止に向けた家庭内実証実験による被害者の詐欺被害リスク推定モデルの構築
キーワード:特殊詐欺、生理反応、犯罪心理学
特殊詐欺の被害額は年々増加しており,2024年では721.5億円に上ることから早急な対策が必要である。従来の言語処理による詐欺検知方法では,犯行手口の変化によってキーワードも変わり対応できない可能性がある。そこで著者らは様々な手口で共通する被害者側の「騙されそうな状態」の検知に着目し,プライバシーに配慮した非接触センサーを用いた汎化的な特殊詐欺推定AIを開発し,安心して自宅に設置できる装置の実現に取り組んできた。しかしながら,これまでの実験では実験室環境下で実施しており,実際に詐欺が起こる在宅での状況でも利用可能であるかは不明であった。そこで本研究では,家庭での利用が可能な詐欺被害リスク推定モデルを開発することを目指した。高齢者22名を対象に家庭内で特殊詐欺を模擬した会話を体験してもらいその時の心理的・生理的変化を測定し分析した。その結果と過去の実験室実験の結果を組み合わせてモデルを作成したところ,非接触センサーで得られた生理反応から「騙されそうな状態」を高精度で推定可能なモデルを実現した。本技術は、家庭内に設置可能な装置による特殊詐欺被害の抑制に貢献する。
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