2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[2H1-OS-8d] 金融・会計・経済における情報学

2025年5月28日(水) 09:00 〜 10:40 H会場 (会議室1003)

オーガナイザ:中川 慧(野村アセットマネジメント),平野 正徳(Preferred Networks),坂地 泰紀(北海道大学),酒井 浩之(成蹊大学),水田 孝信(スパークス・アセット・マネジメント),星野 崇宏(慶應義塾大学)

10:20 〜 10:40

[2H1-OS-8d-05] Stein particle filterによるボラティリティ推定

〇内山 祐介1、中川 慧2,3 (1. 株式会社MAZIN、2. 野村アセットマネジメント株式会社、3. 大阪公立大学)

キーワード:Stein Particle Filer、状態推定、ボラティリティモデル

金融市場におけるボラティリティの正確な推定は,リスク管理やポートフォリオ最適化において極めて重要な課題である.しかし,ボラティリティは一般に直接観測できないため,GARCHモデルや確率的ボラティリティ(SV)モデルといった理論モデルが用いられる.特に,SVモデルは非線形性や高次元性を特徴とするため,推定にはMCMCや粒子フィルタなど計算負荷の高い手法が必要となるが,これらの手法は計算効率や収束性に課題を抱えている.本研究では、Stein Particle Filter(SPF)を活用した新しいSVモデルによるボラティリティ推定手法を提案する.SPFは粒子間の相互作用を利用し,重点サンプリングを基盤とする従来の粒子フィルタの欠点を克服する.特に,RBF(Radial Basis Function)カーネルを用いた勾配ベースの更新則により,粒子を効率的に真の事後分布へ収束させる.数値実験では,レジームスイッチSVモデルを用いて,従来のSIRフィルタとSPFを比較した.その結果,SPFは精度と収束速度の両面で優れていることが確認できた.

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