[2P4-OS-2a] 計算社会科学

[2P4-OS-2a-02] 地域特性によるレビュー内容と星評価の比較分析

〇陳 啓賢¹、浅谷 公威¹、坂田 一郎¹ (1. 東京大学)

キーワード：計算社会科学

オンラインのレストランレビューの分野では、地域的な違いや文化的背景が消費者行動にどのような影響を与えるのかを調べることが重要な研究課題となっている。しかし、異なる地域間での星評価の変動や、星評価とレビュー内容の食い違いをもたらす心理的・文化的メカニズムに関する統計的な議論はほとんど行われていない。本研究では、東京とニューヨークの大規模なレストランレビューを比較し、文化的・心理的バイアスが星評価をどのように形成するかを明らかにする。分析の結果、東京のレビュアーは比較的中庸な評価を行う一方、ニューヨークのレビュアーはより極端なフィードバックを示す傾向が見られた。味、価格、雰囲気、サービスなどの要素を検討することで、星評価が内在する感情や意見と必ずしも一致しない場合があることが示唆され、社会的規範の影響がうかがわれる。これらの知見は、グローバルに展開するレビュー・プラットフォームの設計や解釈において、文化的文脈を考慮する重要性を強調している。