2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[3M6-OS-7c] 可視化とAIと科学・文化・社会

2025年5月29日(木) 17:40 〜 19:20 M会場 (会議室1008)

オーガナイザ:伊藤 貴之(お茶の水女子大学),脇田 建(東京科学大学)

19:00 〜 19:20

[3M6-OS-7c-05] 市場化がもたらすフェムテックの多義化と構造変化

構造トピックモデルによるプレスリリースの計量テキスト分析

〇江連 千佳1 (1. 東京大学大学院)

キーワード:フェムテック、ジェンダー、自然言語処理

本研究では、フェムテックに関するプレスリリースを構造トピックモデルを用いて分析し、フェムテック市場の中心が消費者向け製品から企業の生産性向上のためのツールへと移行する過程を明らかにした。その結果、フェムテックは本来の「女性の健康にアプローチする技術」という定義を超え、職場の健康管理や福利厚生といった企業戦略に統合されている ことが示された。
従来の研究では、月経管理アプリなどの特定の製品に着目し、それらが自己管理を促進する役割を果たすことを指摘してきた。しかし、本研究の分析によって、市場の構造変化そのものが女性の健康問題の個人化を強化していることが示唆された。また、性教育といった社会的・政治的課題に関するナラティブが、市場化するにつれて消失していることも、市場化の影響の一つとして確認された。
また、分析の過程を通し、本研究はフェムテックの定義が曖昧であるゆえに、市場全体の変化を帰納的に捉えることの重要性を示している。

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