[4E2-OS-12b] 知能の統合と創発 - 自律化、汎用化・実世界化へ -

[4E2-OS-12b-04] LLMの社会的ランクに関する推論能力の評価

〇福田 聡也¹、宮澤 和貴¹ (1. 大阪大学)

キーワード：社会的ランク、大規模言語モデル

LLMを活用したAIエージェントの研究が盛んに行われている。これらのAIエージェントが今後さらなる自律性を獲得していく中で、人との共生社会を実現するためには、自らの行動を認識し責任を持つ主体性の確立が重要となるだろう。また、人間社会は個人間の関係性により構築されており、その中に存在する社会的ランクは、人の行動様式に少なからず影響を与えている。AIエージェントの主体化が進むにつれ、AIエージェントもまた社会的ランクを持つ存在として認識される可能性がある。したがって、LLMがどの程度社会的ランクに関する推論能力を持つかを検証することは重要である。本研究では、LLMによる社会的ランクを考慮した推論について検証するため、社会的ランクに基づいた人間の行動傾向に関する社会心理学実験をLLMに適用した。具体的には、怒りの表出や抑制と社会的ランクの関係性を、アンケートを用いて検証する実験をLLMに適用した。その結果、LLMは特定の条件下で人間と類似する推論結果を示し、LLMが社会的ランクを解釈して応答可能なことが示唆された。