[4J2-GS-5] エージェント：

[4J2-GS-5-05] 雄性妊娠における交尾後選択戦略の進化モデル

〇小川 拓海¹、武藤 敦子¹、島 孔介¹、森山 甲一¹、松井 藤五郎²、犬塚 信博¹ (1. 名古屋工業大学、2. 中部大学)

キーワード：人工生命

雄性妊娠を行うヨウジウオは、オスがメスの魅力によってそのメスとの子供を育てるのではなく、自身の養分として吸収することでより環境に有利なメスとの交尾の機会を増やす繁殖戦略（交尾後選択）を行う生物として近年注目されている。これまでに、交尾前選択戦略と交尾後選択戦略の適応度の比較を行ったシミュレーション研究があるが、これらの戦略が環境の中で適応し進化していくメカニズムについては明らかになっていない。そこで、本研究では、交尾後選択戦略に着目し、子供を吸収するという戦略が環境に応じてどのように進化し適応していくのかを解明するために、オスの嗜好と交尾後選択戦略を遺伝子とした進化モデルを提案し、様々な環境を想定して実験を行った。実験の結果、オスにとってメスと出会いやすい時や食糧が少ない時に交尾後選択戦略を行う個体が有利であることが分かった。