[4Q3-OS-23] AIによる故人再現の可能性と課題

[4Q3-OS-23-03] 死者AIのための倫理のいくつかのモデル

〇佐藤 啓介¹ (1. 上智大学)

キーワード：死者AI、倫理、トラスト

本研究では、死者を生成AIによって再現する技術に関して、その倫理的規範を構築するためのモデルが、複数存在しうることを明らかにする。死者AIを批判する論者の間には、大別すると3種類の倫理的モデルが存在する。第一に、リンデマンら死者AIのユーザーとの直接的関係から考える倫理、第二に、ホラネクら死者AIが社会内で共有された死者イメージに与える影響から考える倫理、第三に、バイトラーら死者そのものがもつ尊厳や権利から考える倫理である。本研究は、死者AIの実用的ガイドラインを考える際、その前提として、まず複数の倫理的モデルがあることを認識し、それらのモデルを複合的に考える必要があることを示す。