2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[4S3-OS-43] 人工知能と創造性 — 人の模倣を超えて

2025年5月30日(金) 14:00 〜 15:40 S会場 (会議室701-2)

オーガナイザ:小林 茂(情報科学芸術大学院大学),徳井 直生(Qosmo)

14:40 〜 15:00

[4S3-OS-43-03] 意味が介在しない描画行為の原動力とは何か

〇吉田 快馬1、諏訪 正樹1 (1. 慶應義塾大学)

キーワード:スケッチ、ゲシュタルト知覚、創造性、デザイン、認知科学

人工知能と人間の協働による新たな「創造性」をテーマとする論文募集であるが、そもそもひとの創造とは、どのような認知から成り立つのかに関する知見は十分に蓄積されていない。本研究では、スケッチに伴う創造の認知過程を解明する。90年代に蓄積されたデザインスケッチ研究は、言語的な解釈やデザイン意図と知覚的発見の関係を問題とし、描いた要素に対する再解釈が新たな知覚的発見を促すことを指摘した。しかし、必ずしも言語や意味が介在することなく、知覚と行為の相互作用を原動力とするスケッチ行為もある。本研究は、意味を介することなくひとが形を生み出す創造の認知過程を解明する。筆者自身と一人の美術学生による落書きに似た意味を介さない描画行為を対象に、ゲシュタルト知覚という観点から、身振りの連鎖をコーディング・分析した。その結果、過去に見出されたゲシュタルトがなぞる身振りを介して変形・分化・統合されることによって新たなゲシュタルト知覚が生じ、次なる身振りや描画につながるという時間的展開が、意味を介さずに形を生み出す創造的描画の認知過程であることが判明した。

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