2016年第63回応用物理学会春季学術講演会

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シンポジウム(口頭講演)

シンポジウム » 計算材料科学の新潮流 -有機分子・バイオエレクトロニクスを中心に-

[20p-W631-1~8] 計算材料科学の新潮流 -有機分子・バイオエレクトロニクスを中心に-

2016年3月20日(日) 13:45 〜 17:30 W631 (西6号館)

解良 聡(分子研)、下位 幸弘(産総研)、旭 良司(豊田中研)

15:30 〜 15:45

[20p-W631-5] 有機半導体に対する変形効果の計算機シミュレーション

島田 敏宏1、山川 貴恵1、柳瀬 隆1、長浜 太郎1 (1.北大工)

キーワード:有機半導体、変形効果、計算機シミュレーション

有機半導体をフレキシブルデバイスにもちいる際、変形により大きな圧縮と伸張が起こるはずである。その際に低分子有機半導体に何が起こるかを分子動力学でシミュレーションし、得られた構造に対しバンド計算をおこなった。ペンタセンの場合は300Kで面内圧縮すると積層数が増すように分子が再配列する。面内伸張すると層数が減るのではなく25%程度の伸張で膜が断裂する。C8-BTBTの場合は面内圧縮で積層数は変化せず、格子定数の変化や構造転移が起こる。面内伸張を行うと一方向では膜が断裂するが、一方向では50%以上の伸張でも膜はつながっている。バンド計算から、50%伸張した際の分子配列でも半導体として働くことがわかった。アルキル鎖の「分子ファスナー効果」の一例であると考えられる。