2020年第67回応用物理学会春季学術講演会

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[12a-D411-1~1] ドライプロセスによる薄膜作製のための真空技術~基礎から応用まで~

2020年3月12日(木) 09:00 〜 11:30 D411 (11-411)

09:00 〜 11:30

[12a-D411-1] ドライプロセスによる薄膜作製のための真空技術~基礎から応用まで~

〇中野 武雄1 (1.成蹊大学理工学部)

講義内容:真空蒸着・スパッタリングなどのドライプロセスによる薄膜作製技術を対象に,真空科学技術との関わりを解説します.まず真空科学の基礎である平均自由行程や入射頻度の概念を説明し,成膜プロセスで実現したいことに対して必要な到達圧力について議論します.次に,その圧力を達成するために必要な諸要素(真空ポンプと配管,表面からのガス放出など)について紹介します.その後,成膜プロセスの研究を目的とした真空装置の設計指針や排気作業について,実例を踏まえて解説します.特に,高真空〜超高真空の圧力を達成するために必須であるベーキングについて,原理および実施上の注意点を述べます.最後に,窒化チタンの反応性スパッタリングにおける講師の過去の研究例を紹介し,真空環境と薄膜に含まれる不純物について理解を深めていただきたいと思います.

1991年に東京大学大学院工学系研究科修士課程修了,成蹊大学に助手として着任.助教・准教授を経て2017年より教授.博士(工学).日本真空学会(現 日本表面真空学会)にて2006年より真空夏季大学講師,2013-2015年編集委員長など.専門は薄膜作製技術と評価技術.特に,スパッタリング法による製膜プロセスに興味を持っている.