2021年第82回応用物理学会秋季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

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[12p-N221-1~11] 2.1 検出器デバイス開発

2021年9月12日(日) 13:30 〜 16:30 N221 (口頭)

黒澤 俊介(東北大)

13:30 〜 13:45

[12p-N221-1] 炭素線治療場における生物学的効果比分布推定を目的としたSiC半導体線量計の開発

山口 皐平1、窪寺 敬1、柳澤 理央1、横田 凌1、酒井 真理2、松村 彰彦2、牧野 高紘3、大島 武3、加田 渉1 (1.群大理工、2.群大重粒子、3.量研)

キーワード:SiC、線量計、重粒子

重粒子線がん治療技術の高度化に伴い、マルチイオン照射といった線質や線エネルギー付与(LET)が異なる粒子線が混在する照射が想定されている。このような照射の線量評価は既存の電離箱による物理線量計測では対応できず、新しい線量計開発が必要となる。本研究では、エネルギー分解能を有する半導体のうち、放射線耐性に優れるSiC ショットキーバリアダイオード(SBD)を用いた線量計を開発した。群馬大学重粒子線センターにおいて、290MeV/n、12C炭素線を厚みが可変の水槽の下に置いたSiC-SBDに照射した。本体系において、ブラッグカーブ各点での炭素線のLETスペクトルを計測し、各深さでの水等価LET分布を推定した。LETを用いて計算されたRBE10分布は物理線量に沿ってその分布が変化しており、SiC-SBDにより、炭素線場のLET分布とRBE10の分布が評価可能であることが確認された。