2021年第68回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

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[19a-Z12-1~11] 2.6 放射線誘起蛍光体

2021年3月19日(金) 09:00 〜 12:00 Z12 (Z12)

正井 博和(産総研)、河野 直樹(秋田大)

10:00 〜 10:15

[19a-Z12-5] ニュートリノレス二重β崩壊検出に向けたジルコニウム含有緑色発光液体シンチレータの開発

渡邊 晶斗1、間木 ありさ1、越水 正典1、藤本 裕1、浅井 圭介1 (1.東北大)

キーワード:シンチレータ、ジルコニウム、有機金属錯体

ニュートリノレス二重ベータ崩壊の存否検証のために,線源核種が多量装荷され,かつシンチレーション光を阻害しない,液体シンチレータの開発が求められる.Zr錯体の一種であるzirconium(IV) acetylacetonate (Zr acac) は,ニュートリノレス二重ベータ崩壊の線源核種である96Zrを含有し,かつ,液体シンチレータの溶媒となる芳香族系溶媒への溶解度が高いため,線源核種を多量に含有する液体シンチレータの開発が期待される.しかし,Zr acacの吸収ピークは紫外線領域に存在するため,既存の青色シンチレータでは,錯体の吸収の影響が大きく,シンチレーション光の消光が顕著であることが問題とされている.そこで我々は,錯体の吸収の影響が小さいと予想される緑色発光を示す蛍光体を用いて新規液体シンチレータの作製を行った.