2022年第69回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

シンポジウム(口頭講演)

シンポジウム » 可視光からX線によるイメージング ーその汎用性の探求ー

[22p-E304-1~6] 可視光からX線によるイメージング ーその汎用性の探求ー

2022年3月22日(火) 13:30 〜 17:00 E304 (E304)

豊田 智史(東北大)

14:30 〜 14:45

[22p-E304-3] レーザー照射されたNiCo2O4薄膜の磁区の時間空間分解

〇高橋 龍之介1、安部 弘隆1、谷 佳樹1、山崎 未南斗1、大河内 拓雄3,4、菅 大介2、島川 祐一2、和達 大樹1,5 (1.兵庫県大理、2.京大化研、3.JASRI、4.RIKEN、5.阪大レーザー研)

キーワード:超高速、磁区

フェリ磁性酸化物NiCo2O4薄膜は垂直磁気異方性を示し、ハーフメタルとして知られている。化学的安定性も含め、高密度磁気記録デバイスへの応用が期待されている。今回、我々は、この薄膜に対して、赤外パルスレーザーを照射し、磁区のフェムト秒スケールでの時間変化とレーザー照射によって形成するドメインの顕微観測を行った。時間分解測定では、0.4 psのスピードで消磁することがわかり、これは従来のハーフメタル酸化物よりも100から1000倍も速い。一般的な酸化物とは異なる金属的な電子状態や、スピン偏極率に由来することが示唆している。また、レーザー照射後の磁区観測では、380 Kまで温度を上昇させると、リング状の全光型磁化スイッチングがレーザー消磁ドメインの周囲に現れ、磁区サイズ、温度とレーザー効果の重要な関係を示唆している。