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△ [15p-A408-4] 高水素化DLC膜の熱分解過程(2)
キーワード:高水素化DLC膜、昇温脱離
水素含有量が40%を超える高水素化diamond-like carbon(DLC)膜はこれまでの研究で,昇温によって360℃付近で高水素化DLC膜から水素の脱離が起き,480℃付近で炭化水素の脱離が起こることが分かっている。今回はラザフォード後方散乱・弾性反跳散乱分光法(RBS/ERDA)とX線吸収端近傍構造(XANES)によって,高水素化DLC膜の昇温による組成と構造の変化について調べ,熱分解過程について考察した。その結果、RBS/ERDAでは300℃から400℃の間、450℃から550℃の間で水素含有率が減少している。またXANESでは、脱離後にsp2混成軌道の炭素原子の割合が増加している。ここから、脱離過程は昇温脱離実験と一致しており、脱離後は炭素原子が二重結合として再結合を起こしているということが判明した。