2023年第70回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

シンポジウム(口頭講演)

シンポジウム » 有機半導体デバイスの現在・過去・未来:光電変換を中心として

[17a-E402-1~3] 有機半導体デバイスの現在・過去・未来:光電変換を中心として

2023年3月17日(金) 10:30 〜 12:00 E402 (12号館)

吉田 郵司(産総研)

10:30 〜 11:00

[17a-E402-1] 新しいフェーズに入った有機太陽電池

平本 昌宏1 (1.分子研)

キーワード:有機太陽電池、水平接合、キャリア生成

私は、有機太陽電池のブレンド接合(1991年)とタンデム接合(1990年)のコンセプトを世界に先がけて提案し、これらの接合によって、現在、社会実装に必要な効率20%近くに達しています。しかし、この方法は、光生成した電子とホールを取り出すナノスケールのルート形成が難しいという、本質的な問題を初めからはらんでいました。私は、ブレンド接合のコンセプトの発明者として、この問題を根本的に解決する方法を見出さなければならないという、一種の責任感を持ちつづけてきました。一方、近年、キャリア再結合の抑止が、有機太陽電池の性能を決める鍵としてクローズアップされてきました。また、有機半導体が超高速移動度を示すようになり、有機太陽電池のこれまでの原理が刷新される可能性も生じてきました。本講演では、これらに関係した、最近の成果と今後の展望を述べたいと思います。