2023年第70回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

6 薄膜・表面 » 6.3 酸化物エレクトロニクス

[17p-A408-1~14] 6.3 酸化物エレクトロニクス

2023年3月17日(金) 13:00 〜 16:45 A408 (6号館)

高橋 圭(理研)、服部 梓(阪大)

13:15 〜 13:30

[17p-A408-2] PdCrO2/CuCrO2ヘテロ構造における不純物相形成メカニズム

市場 友宏1,2、ユン サンムーン1,3、オーケー ジョンモック1,4、ユン ミーナ1、リー ホニオン1、レボレド フェルナンド1 (1.オークリッジ国立研、2.北陸先端大、3.嘉泉大、4.釜山国立研)

キーワード:デラフォサイト、密度汎関数理論、第一原理計算

PdCrO2膜はAl2O3基板上のCuCrO2バッファー層上で合成される。この合成には不純物相の偏析が伴い、このことが高純度のPdCrO2膜の合成を妨げている。我々は、実験と第一原理計算を組み合わせて、不純物相の偏析の原因について検討した。X線回折と走査型透過電子顕微鏡の実験により、PdCrO2上にCuxPd1-x合金とクロム酸化物であるCr2O3とCr3O4が不純物相として存在していることを明らかにした。計算の結果、完全な化学量論比から酸素原子が不足すること(すなわち、既存の酸素空孔や酸素分子の放出)が、不純物相の偏析の原因となることを見出した。したがって、デラフォサイトからの酸素放出を防ぐことで、不純物相の偏析を抑制することができると考えられる。当日は、実験および第一原理計算の結果を提示すると共に、上記の結論に至る議論を説明する。