The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[IX-29-15_17] 栄養・飼養(Ⅸ-午後)

Fri. Mar 29, 2019 1:00 PM - 1:30 PM 第IX会場 (8号館8502講義室)

Chairman:Mitsuhiro Furuse(Faculty of Agriculture, Kyushu University)

1:20 PM - 1:30 PM

[IX29-17] ブタ初乳中エキソソームが仔豚血中T細胞に与える影響

Jimbo Itsuki1, Maeda Machi1, Kawasaki Kiyonori2, Inoue Ryo1 (1.Kyoto Prefectural Univ., 2.Kagawa Univ.)

エキソソームは様々な体液中に含まれる細胞外膜小胞で,核酸やタンパク質を内包しており,生体内における細胞間情報伝達の媒体として重要な役割を担う.免疫系においては,免疫細胞間での抗原情報の交換や,免疫細胞の活性化・不活性化など様々な免疫応答を制御することが示されている.ブタ初乳中に含まれるエキソソームは,初乳摂取を介して仔豚血中に移行することが示唆されているが,その詳細な役割は明らかでない.本研究では,in vitroでブタ母乳中エキソソームが仔豚の血中T細胞に与える影響を検討した.
母豚(LW)2頭から初乳を採取し,超遠心分離によりエキソソームを単離した.離乳期の仔豚(LWD)3頭から血液を採取し,末梢血単核球(PBMC)を単離し,初乳由来のエキソソームと3日間共培養した.その後,フローサイトメトリー解析によりリンパ球中のヘルパーT細胞及び細胞傷害性T細胞の割合を算出した.
初乳エキソソームと共培養した仔豚PBMCのT細胞中の細胞傷害性T細胞の割合は,陰性対照の培地のみに比べて有意に高値を示した(p<0.05).一方,ヘルパーT細胞では,陰性対照と有意差は認められなかった.以上の結果より,ブタ母乳中エキソソームは仔豚の細胞傷害性T細胞の分化または分裂を促進することが示唆された.