日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-20_38] 一般演題(ポスター発表)<繁殖・生殖工学>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-24] 5-アミノレブリン酸を経口給与された黒毛和種の精液性状

齋藤 邦彦1, 火ノ川 和春1, 居城 伸次1, 武田 宗一郎1, 丸山 将治1, 谷口 慎2,3, 原山 洋4 (1.家畜改良セ十勝, 2.NPJ, 3.広島大院生物圏, 4.神戸大院農)

【目的】天然アミノ酸の5-アミノレブリン酸(以下「5-ALA」と表記)はミトコンドリア内で合成される物質であり,細胞の代謝調節作用を示すことから,経口摂取による成長性,免疫力,繁殖性などの向上が期待される.ヒトでは不妊症外来の受診患者の精液性状が5-ALAの服用により改善傾向を示した症例が報告されている.本発表では雄ウシに5-ALAを経口給与した時の精液性状検査の事例を報告する.
【方法】黒毛和種雄牛37頭を12ヵ月齢から採精に供した.雄を慣行飼養した対照区(14頭),5-ALA(10g)を採精時から給与した試験A区(12頭)および採精の1ヵ月前から5-ALA(10g)を給与した試験B区(11頭)に分けて,週2回の人工膣法による採精を実施した.精液性状の検査項目は精子活力および精子奇形率であった.
【結果】採精後の精子活力が良好(+++70%以上)であった精液の割合は,対照区で43.3%,試験A区で62.4%,試験B区で63.3%であり,試験区AおよびB区が対照区よりも有意に高かった(P<0.05).凍結融解後に活発な前進運動(+++)を示す割合は対照区で37.2%,試験A区で35.3%および試験B区で35.1%であった.また精子(+++35%以上)の奇形率は対照区で10.8%,試験A区で7.0%および試験B区で4.8%であり,各区間の成績に有意な差が認められた(P<0.01).