Session information
共催シンポジウム
ポストコロナの日本の畜産
Mon. Mar 29, 2021 3:00 PM - 6:00 PM ライブ配信
座長:佐藤 正寛(東北大院農)、小澤 壯行(日獣大応用生命)、柏崎 直巳(麻布大 )、眞鍋 昇(家畜改良センター・大阪国際大 )
共催:(公社)日本畜産学会・日本学術会議・日本畜産学アカデミー
協賛:日本ハム株式会社
視聴はこちら(配信期間:3/24~4/3)
総合討論の視聴はこちら(3/29 17:00〜18:00 ライブ配信)
パスコード:329374
※講演動画:オンデマンド配信
総合討論:2021年3月29日(月)17:00〜18:00 ライブ配信
(講演動画は各自でご視聴ください。Zoom会場でのライブ配信は17:00から開始します。)
2019年末に中国・武漢から全世界へ感染拡大したと考えられている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」はパンデミックとなり、人類に大きな影響を与え、現在もなお拡大し続けている。2020年春には政府の緊急事態宣言が発出され、学校の休校や大規模イベントは中止となり、さらに東京オリンピック・パラリンピックの延期も決まった。さらに日本の学校は急遽、休校措置を実施した。給食向けの牛乳は、その行き場を無くしたが、農水省は「プラスワンプロジェクト」を展開した結果、その被害を最小限に抑えることができた。また牛肉は、インバウンド需要や外食需要が急激に減少したことや輸出量の減少により、その枝肉市場価格が下落し、国内在庫量を積み上げることとなった。一方で、この牛肉価格の低下は、在宅勤務や休校の影響から、家庭での消費量を押し上げた。さらに、消費の約半分量を輸入に頼る豚肉は、北米での食肉処理場・加工場等の稼働停止に伴い、その供給量は5月以降に減少し、さらに中国でのASF(アフリカ豚熱)の影響もあり、その相場は高値で推移した。しかし、外食向けの畜産物を含む食材需要は、首都圏を中心に飲食店等の営業自粛・時短営業の要請等によって落ち込み、その回復にはさらに時間を要することが見込まれている。その一方で、家庭での内需増加や輸入量減少によって国産豚肉は大手量販店を中心に好調な販売実績を示した。秋を迎えると輸入豚肉の価格が落ち着き、10月からのGO TOキャンペーン等により外食需要の回復が期待されたが、第三波の感染拡大により、このキャンペーンは停止に追い込まれた。鶏卵は年初から相場価格が低迷し、感染拡大にともない、外食・土産菓子等の需要が落ち込んだ。しかし、牛肉・豚肉の需要と同様、10月に入ると需要が戻り始め、鶏卵卸売価格は、徐々に上向いた。鶏肉は、牛肉・豚肉と同様に、家庭内の内需拡大の影響により、量販店販売が好調だが、感染拡大による外食産業不振による輸入食肉の需要低迷の影響を受け、その国内在庫量が増加した。畜産関連の人材輩出、技術開発を担う大学を含めた研究機関では、学術研究成果の発表の場である学術大会・学会が相次いで中止となり、大きな影響を受け、その研究活動は落ち込んだ。さらに、大学では卒業式・入学式等の行事が中止となり、新学期の多くの講義や会議等は、インターネットを介したリモート形式で行なわれるようになった。また、ここ数年好調であった大学新卒予定者就職内定率は、経済状況の悪化によって低下した。このようにOVID-19パンデミックは、大学を含めた高等教育機関や研究機関における教育・研究の活動意義やその方向性について、再検討する契機となった。
2021年を迎えると、これまでの最大感染者数を記録し、その脅威がさらに増し、2度目の緊急事態宣言が発出された。日本社会は、このCOVID-19パンデミックにより大きな影響を受け、私たちはすでにグローバル化している社会で活動していることを実感することとなった。そして私たちは新たな社会活動にあたり、日本における畜産を含めた食料の生産および供給の意義を再認識し、「持続可能な食料生産」や「食料安全保障」について、よりグローバルな視点を持って新たな現実的対応を展開していかなければならない。
日本の食料の生産・供給に重要な役割を果たしている「畜産」がこのCOVID-19のパンデミックからどのような影響を受けたのか。日本畜産学会は、その現状を把握し、記録に残し、そして今後の進むべき方向性について探究するための一助とすることを目的に、このシンポジウムを企画致した。
〇Seiya Fukamatsu1 (1.ZEN-NOH)
〇Masakazu Irie1 (1.National Livestock Breeding Center)
〇Masahiko Kagawa1 (1.Japan Pork Producers Association)
〇Shigeru Ohki1 (1.Azabu University)
〇Akio Takenaka1 (1.Japan Scientific Feeds Association)
〇Naomi Kashiwazaki1,2 (1.Japanese Society of Animal Science, 2.Azabu University)