日本畜産学会第128回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表4

2021年3月28日(日) 09:00 〜 10:30 ライブ配信

座長:尾嶋 孝一(農研機構畜産研究部門)、高坂 哲也(静岡大農)、一條 俊浩(岩手大学)、杉山 稔恵(新潟大学農学部)

視聴はこちら(Zoom)
パスコード:328262

09:45 〜 10:00

[IVYS-04] 黒毛和種の肥育・産肉成績に関連する代謝プロファイル、ルーメン液性状と肝臓のトランスクリプトーム情報

〇金 民知1、正木 達規2、生田 健太郎3、岩本 英治2、上本 吉伸1、寺田 文典4、盧 尚建1 (1.東北大院農、2.兵庫農技総セ、3.兵庫淡路農技セ、4.農研機構)

反芻動物の肝臓は糖新生と脂質代謝の重要な組織であり、その健全性は生産性に大きく影響する。本実験では黒毛和種牛の肥育前・中・後期の血液代謝産物、ホルモン、ルーメン液性状と肝臓のトランスクリプトーム情報を解析し、肥育・枝肉成績などの生産性に関連する特徴を調査した。【方法】黒毛和牛を21頭(12カ月齢、平均体量 335.62±19.79)を供試し、30ヶ月齢まで肥育した。肥育前(13ヶ月齢)、中(20ヶ月齢)、後期(28ヶ月齢)に血液、ルーメン液および肝組織の採取を行った。バイオプシーした肝組織からRNAを抽出してトランスクリプトーム解析を行った。さらに、日増体量、枝肉重量、BMS、ロース芯面積などによって、クラスター分析を行い、特徴的なA(5頭)、B(7頭)2グループを選定し、代謝産物、ルーメン液性状、肝臓のトランスクリプトームを比較した。【結果】クラスター分析による両グループにおける肝臓の遺伝子発現量を比較した結果、発現量に差があった遺伝子は、抗酸化関連遺伝子、免疫関連遺伝子、コレステロール受容体関連タンパク質、成長関連因子について差が見られた。以上の結果より、黒毛和種牛の肥育・産肉成績などの生産性は、肝臓内の抗酸化能増加が大きく寄与する可能性が示唆された。