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[IVYS-04] 黒毛和種の肥育・産肉成績に関連する代謝プロファイル、ルーメン液性状と肝臓のトランスクリプトーム情報
反芻動物の肝臓は糖新生と脂質代謝の重要な組織であり、その健全性は生産性に大きく影響する。本実験では黒毛和種牛の肥育前・中・後期の血液代謝産物、ホルモン、ルーメン液性状と肝臓のトランスクリプトーム情報を解析し、肥育・枝肉成績などの生産性に関連する特徴を調査した。【方法】黒毛和牛を21頭(12カ月齢、平均体量 335.62±19.79)を供試し、30ヶ月齢まで肥育した。肥育前(13ヶ月齢)、中(20ヶ月齢)、後期(28ヶ月齢)に血液、ルーメン液および肝組織の採取を行った。バイオプシーした肝組織からRNAを抽出してトランスクリプトーム解析を行った。さらに、日増体量、枝肉重量、BMS、ロース芯面積などによって、クラスター分析を行い、特徴的なA(5頭)、B(7頭)2グループを選定し、代謝産物、ルーメン液性状、肝臓のトランスクリプトームを比較した。【結果】クラスター分析による両グループにおける肝臓の遺伝子発現量を比較した結果、発現量に差があった遺伝子は、抗酸化関連遺伝子、免疫関連遺伝子、コレステロール受容体関連タンパク質、成長関連因子について差が見られた。以上の結果より、黒毛和種牛の肥育・産肉成績などの生産性は、肝臓内の抗酸化能増加が大きく寄与する可能性が示唆された。