日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-05] 黒毛和種直検牛の飼料利用性形質に関する血統情報およびSNP型情報を用いた分散の推定

〇蟹澤 翔太1、山田 宜永1、谷口 幸雄2、横井 伯英2、勝田 智博3、祝前 博明4 (1.新潟大院自然科学、2.京大院農、3.全和登、4.新潟大佐渡自然セ)

【目的】黒毛和種における直接能力検定法(直接法)の実施は、発育性および飼料利用性の改良を図るうえで重要であり、近年、当該記録を用いたゲノミック予測に関する研究も行われている。本研究では、直接法での飼料利用性形質に関して、記録を備えた個体において血統情報とSNP型情報の両方を同時に用い、分散成分等の推定について検討を加えた。【方法】検定牛1,274頭の形質記録(飼料摂取量および余剰飼料摂取量、DG)、血統情報およびSNP型情報(37,149箇所)を用いた。血統情報による相加的血縁行列のみ、あるいはSNP型情報によるゲノム関係行列のみを用いた分析(それぞれA分析およびG分析と呼ぶ)とともに、カーネル法により両情報(両行列)を同時に取り込んだモデルによる分析(GA分析)を行った。推定はベイズ法により、当該条件付き期待値への両情報の相対的寄与の一評価も試みた。また、表現型値に関する交差確認を行った。【結果】遺伝率は、GA分析において、A分析あるいはG分析におけるよりもより高い値が認められた。両情報の相対的寄与は、DGではSNP型情報の寄与がより高い一方、飼料利用性形質では血統情報の寄与がより高い傾向が認められた。表現型値を用いた交差確認では、総じてGA分析による平均二乗誤差がより小さかった。GA分析の相対的な有効性の如何について、さらにより慎重な検討を続ける予定である。