日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-15] 北海道のホルスタイン種における各月齢までの総乳量と在群期間の遺伝的パラメータの推定

〇山口 諭1、後藤 裕作2、山崎 武志3、中川 智史1、阿部 隼人1、中堀 祐香1、馬場 俊見2、川上 純平2、武田 尚人4、萩谷 功一5、河原 孝吉2 (1.北酪検、2.日ホ北支局、3.農研機構北農研、4.農研機構畜産部門、5.帯畜大畜産)

【目的】生涯生産性の向上には,乳生産能力と在群能力を高める必要がある.そこで,36,48,60,72および84ヵ月齢までの各総乳量と84ヵ月齢で切断した在群期間との遺伝的パラメータを調査した.

【材料】北海道の牛群検定記録を分析に用いた.主な抽出条件は,2013年6月30日までに誕生し,初産分娩月齢が18ヵ月齢以上35ヵ月齢以下,初産分娩から除籍または84ヵ月齢までの累計乳量の算出期間において,乾乳期間を除き計算できない期間および牛群の移動がないことである.在群期間は誕生から除籍までの日数とし84ヵ月齢を超えた場合は一律2,584日とした.分析には,牛群・初産分娩年と初産分娩月齢の各母数効果,相加的遺伝と残差を示す各変量効果を考慮した多形質線形アニマルモデルを用いた.各効果の分散成分は,120,574,120,960および114,464個体からなる3つのサブセットから推定した平均値とした.

【結果】遺伝率は,総乳量で0.11から0.16の範囲,在群期間で0.09であった.総乳量間には,0.55から0.99の範囲で中程度から高い遺伝相関があった.総乳量と在群期間の遺伝相関は,0.14から0.88の範囲であり総乳量の切断月齢に対して上昇した.48ヵ月齢以上の総乳量を指標とすることで,ある程度の信頼性を持った84ヵ月齢における育種価を間接的に推定可能であると推察された.