[P5-34] 加齢時の低タンパク質栄養改善における食肉摂取の有効性
【目的】高齢者の低栄養状態における食肉摂取の有効性を検証するため、加齢マウスを用いて、週齢別あるいは低栄養下での給餌飼料の違いによる筋重量と運動機能について検討した。【方法】20、40、60、80、100週齢の雌雄C57BL/6N マウス(各n=5)は、握力計と強制回転カゴを用い、瞬発力と持久力を測定した。その後、麻酔下で安楽死させ、各組織を採材した。次に55週齢の雄性マウスを5群(n=4)に分け、対照群にはAIN93Mを、残りの群にはAIN93Mのタンパク質を3%に制限し、タンパク質と脂質部分を大豆、豚肉あるいは牛肉由来に置き換えて2週間自由摂餌させ、その後、同様の解析を行った。【結果】加齢により、体重は雌雄共に20週齢時の1.5倍まで増加した。雌は100週齢まで体重が維持されたが、雄は80週齢以降に著しい減少が認められた。また、筋重量は20週齢を最大値として、雌雄共に100週齢ではその80%まで減少した。持久力も筋重量と相関して、雌雄共に100週齢では20週齢の60%まで減少した。加齢マウスを用いた試験では、対照を除く試験群では体重が開始時より10%減少するのに対し、食肉摂取群では長趾伸筋や平目筋の重量が対照群と比較して20~30%増加しており、これに応じて持久力も向上した。以上の結果より、食肉摂取は低栄養に対する改善効果が期待された。