日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境、畜産経営

管理・環境、畜産経営

2021年9月15日(水) 09:00 〜 11:30 管理・環境、畜産経営、動物福祉 (オンライン)

座長:猫本 健司(酪農大農食環境)、多田 慎吾(農研機構)、椎葉 湧一朗(信州大学)、阪谷 美樹(農研機構)

[VI-15-06] 放牧ヒツジ用行動推定アルゴリズムによる夏季の学習結果が冬季の行動推定結果に及ぼす影響

*竹田 謙一1、テイ カーニン2、磯部 泰徳3、田村 崇3 (1. 信州大学術研究院農、2. 信州大農、3. ソニーグループR&Dセ)

【目的】演者らは、第128回大会において、加速度センサを内蔵した畜産向け行動認識器を開発し、深層学習によって得られた行動認識アルゴリズの高い推定精度について報告した。本研究では、同認識器、同アルゴリズムを用いて、草量が多い夏季での深層学習結果が草量がほとんどない冬季でも同等の推定精度を維持できるかについて検証した。【方法】サフォーク種成雌ヒツジ3頭を供試し、同認識器を供試ヒツジの首輪下方に装着した。夏季に、400m2の草地に放牧し、食草、反芻、休息、歩行中の加速度データを連続記録するとともに、実際の供試ヒツジの行動をビデオカメラで録画した。放牧試験終了後、同認識器によって得られた加速度データと撮影録画した行動データを専用ツールを用いて紐づけた。紐づけたデータの3/4を同アルゴリズムでの深層学習用に、1/4を精度検証用に用いた。放牧試験は日中の2~4時間/日で、延べ24時間のデータを収集した。冬季の放牧試験は夏季と同様に行い、延べ10時間のデータを収集した。冬季のデータはすべて精度検証に用いた。【結果】供試ヒツジの食草行動(夏季97.7%、冬季99.7%)、休息行動(夏季96.6%、冬季99.5%)は、両季節とも高い推定結果だった。反芻(夏季86.6%、冬季80.3%)と歩行(夏季83.3%、冬季54.4%)の推定精度は、食草、休息行動のそれより低く、その低下程度は冬季で顕著だった。