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[III-16-05] 卵胞発達に伴うウシ壁顆粒膜細胞の卵母細胞発育支持能力の変化
【目的】ウシ卵母細胞の体外発育培養では,卵母細胞と顆粒膜細胞/卵丘細胞の結合を担うTranszonal Projection(TZP)の維持と卵胞腔様構造の形成が,卵母細胞の発育に重要である。ウシの初期胞状卵胞(直径0.5~0.7 mm)の壁顆粒膜細胞を裸化卵母細胞と共培養すると,卵丘細胞と同様なTZPが形成され,複合体は発達して卵胞腔様構造が形成された。本研究では,二次卵胞の顆粒膜細胞,中期・後期胞状卵胞の壁顆粒膜細胞が卵母細胞の発育を支持するか調べた。【方法】初期胞状卵胞から採取した裸化卵母細胞を24 時間培養してTZPを消失させた後,二次卵胞(直径0.2~0.4 mm)の顆粒膜細胞,中期胞状卵胞(直径1~3 mm)または後期胞状卵胞(直径4~6 mm)の壁顆粒膜細胞と共培養し,複合体が再構築されるか調べた。共培養開始5日後,透明帯中のアクチンを染色してTZPの形成を調べた。TZPが再形成された区については培養を続け,卵胞腔様構造の形成,複合体内の卵母細胞の発育と成熟能力を調べた。【結果】二次卵胞の顆粒膜細胞と裸化卵母細胞を共培養すると,初期胞状卵胞の壁顆粒膜細胞と同様にTZPが再形成された。また,卵胞腔様構造が形成され,複合体内の卵母細胞は発育して成熟能力を獲得した。一方,中期および後期胞状卵胞の壁顆粒膜細胞では,TZPは形成されず,卵母細胞は退行した。