[ODP-014] 食物から分離した放線菌の腸内環境生存能の評価
【背景・目的】Clostridioides difficile感染症(CDI)は,ディフィシル菌が原因で起こる下痢症・腸炎である。糞便微生物移植により再発予防効果のあったCDI患者とドナーの糞便のメタゲノム解析を行ったところ,ドナーにのみ特定の放線菌が検出された。放線菌は,土壌や植物に広く生息しており,様々な抗菌性物質を生産していることが知られている。本研究では,食物由来の放線菌がCDIの改善に何らかの役割を担っていると考え,食物から放線菌を分離し,腸内環境生存能の評価を行った。
【方法】放線菌の分離源として,種々の根菜(長芋,大根,聖護院大根,カブ)を使用した。各分離源を破砕し,ろ過した抽出液を放線菌用分離培地に混釈し,27℃, 3週間培養することで分離株を得た。得られた分離株は,16S rDNAをBLASTで検索することで,帰属する属と種を推定した。腸内環境生存能の判定には,人工消化液に37℃で種々の時間浸漬し,放線菌用培地に塗布して生育したものを消化液耐性とした。生物活性評価には,C. difficile ATCC BAA-1870株を用い,ペーパーディスク法による阻止円形成により活性を判定した。
【結果・考察】長芋からは,11属38種298株の放線菌が得られ,大根,聖護院大根およびカブからは合わせて13属50種303株の放線菌が得られた。これら88種の放線菌を人工消化液に曝露したところ,80種の放線菌が耐性能を有していた。これらのことから,放線菌は食物を介して生きたまま腸内へ移行すると推察される。現在,C. difficileに対する抗菌活性を評価している。
【方法】放線菌の分離源として,種々の根菜(長芋,大根,聖護院大根,カブ)を使用した。各分離源を破砕し,ろ過した抽出液を放線菌用分離培地に混釈し,27℃, 3週間培養することで分離株を得た。得られた分離株は,16S rDNAをBLASTで検索することで,帰属する属と種を推定した。腸内環境生存能の判定には,人工消化液に37℃で種々の時間浸漬し,放線菌用培地に塗布して生育したものを消化液耐性とした。生物活性評価には,C. difficile ATCC BAA-1870株を用い,ペーパーディスク法による阻止円形成により活性を判定した。
【結果・考察】長芋からは,11属38種298株の放線菌が得られ,大根,聖護院大根およびカブからは合わせて13属50種303株の放線菌が得られた。これら88種の放線菌を人工消化液に曝露したところ,80種の放線菌が耐性能を有していた。これらのことから,放線菌は食物を介して生きたまま腸内へ移行すると推察される。現在,C. difficileに対する抗菌活性を評価している。