The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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4 Molecular Microbiology

[ODP4B] b. Regulation of Gene Expression

[ODP-056] Involvement of uncharacterized ytfL gene of Salmonella in polyamine tolerance

○Yumi Iwadate, Rouhallah Ramezanifard, Yekaterina A Golubeva, Luke A Fenlon, James M Slauch (Dept. Microbiology, Univ. of Illinois at Urbana-Champaign)

我々は,サルモネラがマクロファージ内で生存・増殖するために必要な機構について調べており,これまでにTn-seq 法を用いて病原性に関与する遺伝子群の探索を行い,機能未知の内膜タンパク質をコードするytfL遺伝子が病原性の発揮に重要であることを見出した。今回,試験管内の条件を用いて ytfLの生理学的な機能を調べた。
マクロファージ内は酸性であることから,野生株とytfL欠損株を酸性の培地で培養し,生菌数の変化を調べたところ,定常期へ移行したのちにytfL欠損株は生存率が低下することが分かった。生理学的および遺伝学的な解析の結果,酸性の培地で培養を開始すると,酸ストレスへの応答としてポリアミンのカダベリンが産生・放出されており,定常期の培地に蓄積したカダベリンにytfL欠損株は感受性になっていることが分かった。さらに,マクロファージ内はマグネシウムが枯渇していることに着目し,生理学的解析を進めたところ,マグネシウム飢餓とポリアミン耐性との関連性を見出したので,両者の関連性についても議論したい。
今回,サルモネラの病原性に重要なytfL遺伝子を調べたことで,マクロファージ内ではポリアミンストレスの解消が重要であり,ポリアミンストレスの解消はマクロファージによって誘導されるマグネシウム飢餓と関連することが示唆された。今後の解析によって,酸性であるマクロファージ内において酸応答性の既知のポリアミンの産生に関わる遺伝子群は抑制されるという,矛盾した現象の理解につながることが考えられた。