The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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6 Virulence Factors and Biophylaxis

[ODP6C] c. Mechanisms of Intracellular Invasion and Parasitism

[ODP-158] Latent infection of Helicobacter cinaedi in bone marrow sustained by super sulfide

○Tetsuro Matsunaga1, Masaaki Yoshida1, Akira Nishimura2, Masanobu Morita1, Tomoaki Ida1, Hiroyasu Tsutsuki3, Tomohiro Sawa3, Hozumi Motohashi4, Yoshiaki Kawamura5, Takaaki Akaike1 (1Dept. Environ. Med. Mol. Toxicol., Tohoku Univ. Grad. Sch. Med., 2Div. Biol. Sci., Grad. Sch. Sci. Technol., NAIST, 3Dept. Microbiol., Grad. Sch. Med. Sci., Kumamoto Univ., 4Dept. Gene Exp. Regulation, IDAC, Tohoku Univ., 5Dept. Microbiol., Sch. Pharmacy., Aichi-Gakuin Univ.)

【目的】Helicobacter cinaediは微好気性グラム陰性らせん状桿菌である新興感染症菌であるが,本症の感染経路や病原性発現機構については依然不明な点が多い。本菌の近縁種Wolinella succinogenesでは硫黄呼吸によるエネルギー代謝の存在が報告されている一方で,我々は,超硫黄分子種を介した哺乳類・ヒトのミトコンドリアにおける硫黄呼吸の存在を見出している。本研究では,本菌の超硫黄代謝を介した骨髄内潜伏感染分子機構についてマウスおよびマクロファージを用いて解析した。【方法・結果】B6マウスに本菌を腹腔内投与し各種臓器における感染の有無を本菌特異的PCR法により解析した結果,投与直後では全ての主要臓器から検出されたが,投与後12日目から4ヶ月にわたり骨髄のみから検出が認められた。感染マウスの骨髄試料から逆転写および本PCR解析の結果,本菌特異的なmRNAが検出された。本菌を感染させたマウスマクロファージ様細胞RAW264.7を用いた免疫細胞染色の結果,菌体像とオートファジー関連タンパク質p62との共局在は観察されなかったが,硫黄呼吸を営むミトコンドリア近傍へのらせん状菌体の集積が認められた。【考察】H. cinaediは,感染細胞内においてオートファジーによる細胞内殺菌を回避し,ミトコンドリアの超硫黄型エネルギー代謝をハイジャックすることで細胞内寄生し,微好気環境である骨髄内に潜伏感染する可能性が示唆された。現在,生体内の主要な超硫黄分子生成酵素CARSの遺伝子改変マウスを用いて,本菌の超硫黄分子を介した骨髄内潜伏感染について解析を進めている。