第94回日本細菌学会総会

講演情報

若手研究者支援シンポジウム

[YRS4] 臨床細菌学研究 ―臨床現場・感染症医との協働―

2021年3月24日(水) 16:00 〜 18:00 チャンネル2

コンビーナー:佐藤 豊孝(札幌医科大学),和知野 純一(名古屋大学)

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[YRS4-1] 細菌検査室における他職種間の協働と研究

○佐藤 勇樹1,2,髙橋 聡1,2 (1札医大病・検,2札医大・医・感染制御・臨床検査)

細菌検査に従事する臨床検査技師の主な日常業務は,提出された検体のグラム染色と分離培養を行い,菌を同定し,薬剤感受性検査の結果を臨床に報告することである。グラム染色は,最も早く起炎菌の推定が可能であるため,必要時には至急報告も行っている。近年,同定やトキシンの検出など微生物検査にもPCRを利用した方法や,院内感染対策を目的とした検査も増加しつつあり,業務の多様化が進んでいる。当院では,細菌検査室が感染制御部と兼務になっており,院内感染の防止や抗菌薬の適正使用に向けて,医師や看護師,薬剤師との連携は必須である。また,検査室レベルでは同定できない薬剤耐性菌は基礎講座の先生に解析を依頼し,検査室からは患者から分離された菌株の提供をおこない基礎講座との協力を図っている。研究は,新しい試薬や機器の性能評価や,より早く細菌の同定や耐性菌を検出する検査法の開発など,臨床に役立つような基礎的検討を中心に行っている。細菌検査室は,検体から得られた情報を保有しており,必要に応じて臨床への迅速な報告が求められる。また,院内感染を防止する上でも他職種との協働が重要と考える。